体位の変動が原因
▼体位の変動でめまいが起こる
「体位変動(たいいへんどう)」というと分かりにくいと思いますが、「立ちくらみ」というと分かりやすいと思います。
「起立性低血圧」や「起立性調節障害」ともいいますが、座った状態からいきなり立つと、頭の位置が上にあがるため、より血液を上に持ち上げないと脳まで届きません。
そのためには、血圧が上がらなければならないのですが、何らかの理由で血圧が上がらないために、立ちくらみを起こしてしまうのです。
それが酷くなると、眼前暗黒感につながります。
立ちくらみの原因で多いのが、自律神経の乱れ、いわゆる自律神経失調症です。
血圧は自律神経がコントロールしています。そのため、自律神経が狂い始めると、血圧を体の状態に合わせてコントロール出来なくなります。その結果、立ちくらみになりやすくなります。
※詳しくは「めまいと自律神経」のページをご覧ください。
実は、お風呂やプールから出た時も立ちくらみになりやすいです。
お風呂やプールは、中にいるだけで体の外側から水の圧力が加わります。すると、血圧が上がりやすくなるのです。
お風呂やプールからから出ると、体にかかっていた水の圧力がなくなりますので、血圧が急に低くなってしまうのです。
自律神経失調症ですと、自律神経が正常に働いていないので、この時に血圧を高められないのです。
自律神経が正常に働いていれば、この時の血圧低下を察知することができ、素早くそれに反応して血圧を上げることができます。
ですので、体位変動で立ちくらみや起立性調節障害などが起きるのは、自律神経の乱れが起きているからなのです。
また、頸性めまいといい、首を曲げた状態の時に気を失いそうになったり、そのような前兆が出てきたりする場合があります。
これは、首の中を通る椎骨動脈が何らかの影響で(動脈硬化など)細くなっているところに、さらに首を曲げることで血流が悪くなり、脳に行く血液の量が減って脳が虚血状態になることで起こります。
すると、めまいを感じたり、ものが見えにくくなったりして倒れこむようなことがあります。
この状態は、脳梗塞や心筋梗塞などにつながるので、病院での受診が必要になります。