薬剤性めまいの原因
めまいの原因が、薬の副作用という場合もあります。
そのため、薬を飲んでいる方でめまいのある方は、薬の副作用を調べることをお勧めします。市販の風邪薬でも、副作用でめまいが出る場合があります。
下記は、めまいの症状が出やすいと言われている薬です。
副作用でめまいが起こることも...
薬剤性めまいの原因になる薬。
まずは、病院で処方される薬です。
- 抗生物質
- 精神安定剤 (デパス・セルシン・ワイパックス・ソラナックスなど)
- 降圧剤(血圧を下げる薬)
- 抗パーキンソン病薬
これらを分かりやすく解説していきます。
▼ 1.抗生物質
抗生物質のある種のものは、平衡感覚を感知する耳石器(じせきき)に影響を与え、三半規管に狂いを生じさせることが分かっています。
またある種の抗生物質は、耳石器の中の耳石をはがれ落ちやすくします。
はがれ落ちた耳石は、三半規管に入り込み、三半規管の中のリンパ液に乱れを生じさせます。
平衡感覚は三半規管のリンパの流れから感じ取っているため、リンパの流れが乱れると、平衡感覚も狂ってしまうのです。
これは、回転性めまいである「良性発作性頭位めまい症」の原因となります。
抗生物質の場合は回転性めまいですが、薬の副作用で起きるめまいは、ふらつきが出る動揺性めまいが多いです。
▼ 2.精神安定剤
(デパス・セルシン・ワイパックス・ソラナックスなど)
精神安定剤が処方される方は、不安傾向があったり、心理的に負担がかかっている状態であったり、自律神経の乱れがあったりする方が多いです。
そのため、もともとめまいになりやすいのですが、これらの薬も副作用でめまいが起きると言われています。
しかし、これらの薬は勝手に中断することでますます体調が悪くなる場合がありますので、医師に相談してください。
▼ 3.降圧剤
降圧剤とは、高血圧の方の血圧を下げるための薬ですが、通常は飲み続ける薬です。そのため、生活改善などで血圧が正常になっているにもかかわらず飲み続けていると、血圧が下がりすぎてしまうことがあります。
すると、平衡感覚をコントロールしている脳幹や小脳、あるいは平衡感覚を伝える前庭神経などに血液が届きにくくなります。
体の全ての器官は、血液が運ぶ酸素と糖で働いていますので、脳幹や小脳、あるいは前庭神経などに血液が届きにくくなると、ふらつきが出やすくなります。
このような場合は、降圧剤を処方されている医師に相談するようにして下さい。
▼ 4.抗パーキンソン病薬
パーキンソン病の薬の副作用でめまいが起きることもあります。
だからといって、簡単にやめるわけにはいきませんので、担当医師にご相談ください。
これら処方される薬以外に、市販薬でも副作用としてめまいの症状が起こるものがあります。下記に一例をあげます。
- バファリン顆粒
- コンタックかぜ総合
- プレコール
- ルル
他
風邪薬は、全体的に神経系に影響を与えるため、副作用でめまいが起こることのある薬が多いです。
風邪薬に限らず、市販の薬を服用されている方は、説明書をよくご確認ください。また、薬剤師や医師にご相談ください。