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めまい大辞典では、目眩の原因・症状・対策などを一般の方にも分かりやすくご説明しております。

2019年3月 8日

全身性めまいの原因

 全身性とは、三半規管や小脳などの部分的な場所が悪いのではなく、文字通り「全身的」な問題がめまいの原因として起こることを言います。主に下記の4つがあります。

  1. 自律神経失調症
  2. 貧血
  3. 低血糖
  4. 発熱

 それぞれを説明していきます。

▼ 1.自律神経失調症

 上記4つの中で、一番多く見られるのは自律神経失調症です。
グルグル回る「回転性めまい」の原因も、多くはこの自律神経失調症と考えられますが、フワフワとふらつきを起こす「動揺性めまい」の原因にもなっていることが多いです。

 自律神経を調節している大元である脳幹には、心拍・血圧・呼吸・嘔吐反射・平衡感覚などをコントロールする神経が並んで存在します。そのため、自律神経失調症になると、平衡感覚が狂いやすく、ふらつきも起こしやすくなります。

 また、めまいが悪化すると、動悸が出たり、呼吸が苦しくなったり、気持ち悪くて吐き気がしたりすることもあります。
これは、めまいに深く関係する自律神経が、呼吸や吐き気にも深く関係しているために起こります。
詳しくは「めまいと自律神経」をご覧ください。

▼ 2.貧血

 貧血もめまいの原因になります。貧血になると倒れることがありますが、倒れるほど悪くない方は、フワフワしたりクラッっとしたりするような、ふらつきを起こす動揺性めまいが生じます。

 貧血の場合、平衡感覚をコントロールしている脳幹や小脳に、血液が届きにくくなってめまいが起こります。
脳幹や小脳は、血液が運んでくる酸素や糖で動きますので、それらが足りなくなると機能の低下が起こるのです。
めまいの原因が貧血の場合、まずは貧血の対応を取る必要があります。

▼ 3.低血糖

 低血糖も同じような動揺性めまいの原因となります。お腹がすいた状態が長く続くと、力が出なくなったりフラフラしたりすることがありますが、これは脳幹や小脳に、糖が運ばれていないことで起きます。

 通常、人は、お腹が空いてもある程度は血糖値を保っていられます。しかし低血糖症の方の場合、お腹が空くと血糖値が異常に低くなってしまいます。

 これは、血液中に糖が少なくなっていることを示しており、脳幹や小脳だけでなく、体のあちこちに糖が足りなくなってしまうのです。
ひどくなると、めまいどころではなく、動けなくなってしまいます。

 軽いものだと、めまいだけしか起こりませんが、動揺性めまいの原因の一つに、低血糖症があるのを知っておくことは重要です。
なぜなら、甘いものを多く食べていると、自分で血糖を上げる能力が下がってしまうことも多いのです。甘いものがすぐ手に入る現代では少なくない、めまいの原因の一つです。

▼ 4.発熱

 発熱もめまいの原因となります。
発熱は、体の中で「何かいつもと違うことが起きている」という状況です。分かりやすい例でいうと風邪をひいているときです。

 免疫細胞がウイルスと戦うのに熱を必要としますので、体が自然と発熱します。すると体の中のエネルギーは、免疫を強化することに使われます。
そのため、平衡感覚を感じ取ることにエネルギーが使えなくなります。
あるいは、足に力を入れるのにエネルギーが使えなくなります。
これがめまいの原因になることもあります。

 また、熱があるときには、体の中で炎症が起きている場合があります。大けがをした場合、その炎症で高熱を出すこともあります。

 炎症は機能障害を伴います。内耳(ないじ)の三半規管で炎症が起きれば、三半規管の機能低下からめまいを起こします。(この場合、多くは回転性めまいになりますが)

 このように、発熱があるとフラフラするようなめまいがよく起きますが、まずは発熱の原因に対処することが重要です。

全身性めまいの対策はこちら


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