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めまい大辞典では、目眩の原因・症状・対策などを一般の方にも分かりやすくご説明しております。

2019年3月 8日

内耳炎・前庭神経炎の原因と症状

 内耳炎も前庭神経炎も「炎症」を起こしている状態です。
この炎症が起きる原因は、現在のところ「ウイルス感染」と言われていますが、実は「自律神経失調症」が有力と考えられます。


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ウイルス感染に自律神経も関係している


 耳の奥は、外耳・中耳・内耳と3つに分けて考えられ、一番奥にあるのが内耳です。
この内耳に炎症が起きるのが内耳炎です。
内耳には、平衡感覚を感じる三半規管や耳石器(じせきき)が存在しますので、内耳に炎症が起きると、平衡感覚に狂いが生じてめまいが起こります。

 また、前庭神経とは、三半規管や耳石器から脳につながる神経のことをいい、体の回転や傾き、加速度や位置感覚などを伝えています。
前庭神経に炎症が起きると、三半規管や耳石器で感じた平衡感覚を正常に脳に伝えられなくなり、回転性めまいが起きます。

 この症状は急に現れ、吐き気や目が左右に急速に動く「水平性眼振(すいへいせいがんしん)」を伴います。

 急なめまいは2~4日程度で軽減することがほとんどです。しかし、その後も動揺性めまいが出たり、姿勢が安定しなかったりする症状が出ることもあります。

 また、回転性めまいがなくなっても、急に顔の向きを変える動作(人に呼ばれて振り向く・左右を交互に見るなど)をすると気持ち悪くなるなど、めまいの症状が残ることがあります。

 更に、階段や段差などの昇り降りの際にも姿勢がフラッとふらつく状態も残りやすいです。

 また、炎症の影響で「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」が起きる場合もあります。
そのため、きちんと専門家に見てもらうことが重要です。

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回転性めまいがなくなっても症状が残ることが...


 内耳炎・前庭神経炎は原因が似ていて、どちらも文字通り「炎症」を起こしています。炎症が起きると、そこには水が溜まります。

 例えば、火傷や靴ずれも炎症です。この時には、水ぶくれができます。そして膝の炎症では膝に水が溜まります。
このことから分かる通り、炎症部には水分が溜まるようになっています。

 メニエール病もリンパ液が増えることでめまいが起こるので、炎症の一つと考えてもいいでしょう。

 では、炎症の原因は何でしょう?
西洋医学的には、ウイルス感染と考えられています。

 通常、内耳炎や前庭神経炎などの原因となるウイルスは、「ヘルペスⅠ型ウイルス」と言われるウイルスです。帯状疱疹や顔面や口唇に出てくるヘルペスで知られているため、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 実は、ヘルペスⅠ型ウイルスは、多くの人は既に感染しているのです。
30代で約半数の人、60代ではほぼ全ての人が感染しています。
もしウイルスへの感染だけが原因なら、30代で約半数の人が内耳炎や前庭神経炎による「回転性めまい」で悩むことになります。

 しかし、内耳炎や前庭神経炎の真の原因は、ヘルペスⅠ型ウイルスへの感染ではなく、自律神経失調症により、免疫力が下がることなのです。

 免疫力が下がることで、もともと感染していたヘルペスⅠ型ウイルスが、再活性化して炎症を起こし、めまいを引き起こします。

 免疫力が正常であれば、ウイルスが再活性化できずに炎症も起こることはなく、内耳炎にも前庭神経炎にもなりません。そのため、めまいを引き起こすこともありません。

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免疫と自律神経はつながっている


 自律神経失調症とは、大抵は交感神経が過剰に働き、副交感神経が働けない状態のことを指します。

 実は、交感神経が過剰に働いていると、免疫力が低下し、体の中で炎症が起こりやすくなるのです。
そのため、内耳炎や前庭神経炎のようにウイルス感染が原因の疾患にも、自律神経失調症が関係してくるのです。

 ※詳しくは「めまいと自律神経」のページをご覧ください。

 内耳炎や前庭神経炎の発生頻度は、10万人に3.5人ぐらいと計測されており、回転性めまいが起きる病気としては、良性発作性頭位めまい症(BPPV)、メニエール病に続いて3番目に多い病気です。

内耳炎・前庭神経炎のめまいの対策についてはこちら


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