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めまい大辞典では、目眩の原因・症状・対策などを一般の方にも分かりやすくご説明しております。

2019年2月25日

平衡感覚・目・体の感覚の連動が問題のめまい 詳細

 めまいになると、体のバランスがうまく取れません。
実は、体のバランスをとるには、「平衡感覚」と「目の動き」と「体の感覚」の3つのバランス情報を連動させる必要があるのです。

 これら一つ一つの感覚情報が正常であっても、3つの感覚がうまく連動しないと、どのバランス情報を信じたらいいのか脳は分からなくなり本来のバランスがとれず、その結果としてめまいが起こるのですね。


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 例えば、人は平衡感覚の変化を感じると、それに合わせた目の動きを無意識に行います。
これを前庭動眼反射(ぜんていどうがんはんしゃ)といい、平衡感覚と目が連動することで快適な状態にするとともに、めまいを防いでいます。

 日常生活でいうと、電車やバスなど揺れる乗り物に乗っているとき、顔が揺れても本などを読み続けられるのは、平衡感覚で揺れを感じ、その揺れに合わせて景色が揺れないように目(眼球)を無意識に動かしているからです。

 電車などで本を読むと、酔ってしまったり、気持ち悪くなったりしてしまう方は、この前庭動眼反射の機能が何らかの原因(その多くは自律神経の乱れ)で低下しているからなのです。

 前庭動眼反射がうまく働かないと、体の揺れに対して視覚を安定させる目の動きが出来ないため、体の揺れとともに視覚も揺れてしまい酔ってしまうのですね。
このような方は乗り物酔いが酷くなります。


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 また、顔を右に向けたとします。
すると、景色は右から左に流れます。これは目と体の感覚のつながりです。

 顔を右に向けたと分かるのは、首の関節が動いたことや首の皮膚が右にねじれたこと、あるいは首を右に向かせる筋肉が緊張したことという、体の感覚が脳に伝わるからです。
そして、目からは右から左に景色が動いたという情報が伝わり、顔を右に向けたと分かります。

 このときに、顔を右に向けても景色が左に流れなかったり、顔を右に向けてもいないのに景色が左に流れたりすると、めまいを感じます。
これは、目で見えている情報と、体の感覚から分かる情報とが、合っていないことでめまいを感じるのです。


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 更に、体を動かしたとき、平衡感覚と体内の感覚も連動しています。
例えば、上半身を30度斜めにお辞儀したとします。
すると、三半規管は30度に斜めになったことは察知するのですが、三半規管だけでは床が30度斜めになっているのか、股関節や腰から曲げて30度になっているのかが分からないのです。

 もし、床が斜め30度になっているとしたら、それは体が前に倒れることを意味していますので、足を前に出して転ばないようにします。

 しかし、お辞儀の時には、股関節や腰が30度に傾いたのを体の感覚が感じているので、足を前に出そうとはしません。


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 このようにして、目の情報と、平衡感覚の情報と、体内の感覚の情報によって、連動して体のバランスを取り、めまいを起こさないようにしているのですね。

 めまいは、それぞれの機能の低下以外にも、この3つの情報の連動のどこがうまくいっていないかを検査して、それに応じた対応が必要になるのです。

【神経の問題が原因のめまい】

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